投資を行っている人ならば「卵をひとつのかごにもるな」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。万が一不慮のアクシデントが起こってしまった場合、持っている卵を一つのかごに入れているとすべて割れてしまいます。しかし複数のかごにおいていれば、一つのかごを落としても他の卵は無事となります。投資でもこれと同じ考え方がありまして、投資先を分散することで仮に一つの投資先がだめになっても資産額の減少に大きな影響を与えないようにするのを分散投資といいますね。大きくはアセットアロケーションを組む際、株式、債券、REIT、コモディティ、金などに分散投資させるということを考えます。さらに細かく分けると以下のようになると思います(私の感覚で分類しているので、教科書とは少し違うかもしれません)。
・株式
国内株式、先進国株式、新興国株式
セクター別 (金融セクター、医薬品セクター、生活必需品セクターなど)
個別株 (三菱UFJ、第一三共、花王など)
・債券
国内債券、先進国債券、新興国債券、ジャンク債など
個人向け国債、米国債、社債など
・REIT
国内 RIET、海外RIET
個別銘柄
・コモディティ
原油、穀物など
・金
アセットアロケーションで投資先を分けたら次はそれぞれのアセットで分散させます。例えばアセットを分散させても国内株式で 1 銘柄では、この 1 銘柄に何かあったときに致命傷を負いかねないですからね。(投資先が ETF や投資信託など分散投資できるものならば関係ないですね。今回は個別株に投資をした場合、ということで話を進めます。)銘柄選定に絶対の自信があれば、1銘柄に集中投資、ということも考えられるかもしれませんが、だれでもミスはあります。偉大な投資家たちもミスが 0 であった人たちはいませんでした。東京電力はかつて安定株の代名詞でしたが、東日本大震災後はあのような状況です。JAL も破綻することを想定した方たちは 20年、30年前にはいなかったのではと思います。そのため、銘柄数はある程度分散させた方がよいのです。この辺りを何銘柄程度にするかは個人のリスク許容度によって変わるかと思いますが、いくつかシミュレーションをしてみました。
まずは投資先の1銘柄が -50%、-75%、-100% (こちらは破綻したケースですね) となり、他の銘柄は値動きがなかった場合です。

投資先を分散させていると1銘柄による値動きへの影響が少なくなることがわかりますね。 10 銘柄に分散しているだけでもかなり値動きはマイルドになります。グラフだけだとわかりにくいかもしれませんので、表も張ります。表はあまり数を増やしても見づらいので、15銘柄まで掲載しています。
投資先の数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
1銘柄が -50% | 50% | 75% | 83% | 88% | 90% | 92% | 93% | 94% | 94% | 95% | 95% | 96% | 96% | 96% | 97% |
1銘柄が -75% | 25% | 63% | 75% | 81% | 85% | 88% | 89% | 91% | 92% | 93% | 93% | 94% | 94% | 95% | 95% |
1銘柄が -100% | 0% | 50% | 67% | 75% | 80% | 83% | 86% | 88% | 89% | 90% | 91% | 92% | 92% | 93% | 93% |
投資先の数 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
1銘柄が -50% | 97% | 97% | 97% | 97% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% | 98% |
1銘柄が -75% | 95% | 96% | 96% | 96% | 96% | 96% | 97% | 97% | 97% | 97% | 97% | 97% | 97% | 97% | 98% |
1銘柄が -100% | 94% | 94% | 94% | 95% | 95% | 95% | 95% | 96% | 96% | 96% | 96% | 96% | 96% | 97% | 97% |
いかがでしょう?10 銘柄までは割と分散による効果が大きいように思いますが、20銘柄以上になると銘柄数を増やしてもあまり影響がなくなってくる気がします。
では投資先が大きく値上がりした時はどうでしょうか?今回は投資先の 1 銘柄が 50%、100%、200% 値上がりした場合を考えてみます。

グラフだと 10 銘柄以上はあまり大差がないように見えます。縦軸が長いからかもしれません。次に先ほどと同様、表も示してみます。(スペースの関係で投資先の数が 20 まで)
投資先の数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
1銘柄が 50% | 150% | 125% | 117% | 113% | 110% | 108% | 107% | 106% | 106% | 105% |
1銘柄が 100% | 200% | 150% | 133% | 125% | 120% | 117% | 114% | 113% | 111% | 110% |
1銘柄が 200% | 300% | 200% | 167% | 150% | 140% | 133% | 129% | 125% | 122% | 120% |
投資先の数 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
1銘柄が 50% | 105% | 104% | 104% | 104% | 103% | 103% | 103% | 103% | 103% | 103% |
1銘柄が 100% | 109% | 108% | 108% | 107% | 107% | 106% | 106% | 106% | 105% | 105% |
1銘柄が 200% | 118% | 117% | 115% | 114% | 113% | 113% | 112% | 111% | 111% | 110% |
あんまり分散させてしまうと今度は投資先が成功した時に得られる恩恵も小さくなってしまいますね。個別株を行うときはこのバランスが難しいです。ただ個別株の場合はそれぞれの企業の業績もフォローする必要があるので、あまりに投資先が多いとフォローしきれません。そういった意味では 10 ~ 20 銘柄くらいがよいのかなと思います。(私は慎重な人間なので少なくとも 20 銘柄くらいにすると思います)
以上、今回は分散投資について考えてみました。数銘柄で分散投資とおっしゃっている方もいらっしゃいますが、個人的にはハイリスク・ハイリターンなのでよくよく気を付けた方がよいかなと思います。特に相場の調子が良いいまだから、ですね。
それでは、また。
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