12/16 に塩野義製薬がコロナワクチンの治験を開始したとのニュースがありました。

そのニュース報道を受け、PTS 市場では塩野義製薬の株価が急騰していました。まだ治験が始まったばかりなので開発が進むかどうかも定かではない状況ですが、今はコロナ関係のポジティブなニュースが流れると一気に株価が上がる傾向にありますね。さてそんな塩野義製薬について本日はまとめてみることにしました。
事業内容
日本の大手製薬会社のひとつで、現在は抗HIV薬「テビケイ」が主力です。感染症、疼痛、中枢神経領域に強みを持っています。感染症領域では抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」が上市直後は話題となっていました。最近はゾフルーザに対する耐性株の報告もありましたが、IR情報によるとその割合はかなり少ないようですね。今後の重点領域としては塩野義が得意としている分野にがん領域をプラスした形で取り組んでいく方針のようです。近年の技術革新を取り込むためオープンイノベーションにも積極的の取り組んでおり、ペプチドドリームと共同契約を結びペプチド-薬物複合体に関する共同研究に乗り出したり、英国ケンブリッジ大学 創薬推進コンソーシアムに参加しています。また2019年にUMNファーマを買収することでワクチン領域にも進出しています。当社の場合、2028年ごろにHIV製品の特許切れによる影響を受けることが見込まれているので(いわゆるパテントクリフですね)、次のパイプライン拡充が欠かせません。そのパイプラインは2020年度3月期の決算発表資料からは下記の通りでした。

Phase 2 に複数の新薬がありますので、これらが順調に開発ステージを上がっていくと安心ですね。
業績
塩野義製薬の売上、営業利益の推移です。

しばらく急成長を続けていましたが、ここ2、3年はやや成長が鈍化しています。なお、現状は大型薬である抗HIV薬のロイヤリティー収入への依存度が高く、2019年度の決算では売上高3350億円のうち、1271億円を本ロイヤリティー収入が占めています。率にして約38%ですから、その依存度がわかります。そのため当社では抗HIV薬の特許がきれるのをパテントクリフ2028年問題として認識し、それをカバーする新薬の上市や他社との提携を目指しています。
また2020年度の決算は予想を下回るものでしたが、原因の一つがインフルエンザ薬の減収とのことでした。今年はコロナの影響からかインフルエンザ感染者が例年より少ない状況が続いており、今年もインフルエンザ関連の製品が振るわないかもしれません。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201211/k10012760011000.html
インフルエンザが広がらないことに越したことはありませんが、当社にとっては向かい風の可能性はあります。
株主還元
次にEPS、配当、配当性向の推移です。

近年の成長により配当は大きく伸ばしてきており、連続増配を続けています。2021年度予想でも配当性向は 30% に届かない見込みなので、しばらくは増配が見込める気がします。
投資指標
過去3年の PER、PBR、および予想配当利回りの推移です。

最近は業績に伸び悩みが見えるので、株価も一定のレンジでの推移に見えます。現状の株価は指標としては割安ですが、パテントクリフの問題を市場は織り込み始めている可能性もあります。ただ次のパイプラインにもう少し進捗が見えれば、伸びる可能性はありそうです。引き続き当社の研究開発については注目ですね。
それでは、また。
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