Motley Fool Japan の記事で時々 BMY が取り上げられています。(Motley Fool Japan について知りたい方は下記記事をご覧ください)

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こちらの記事よるとかなり割安に放置されていると見込んでいるようです。またバフェットがアメリカの製薬企業の株式を購入したことが一時話題になりましたが、その中にもBMY は含まれており、そういった意味でも注目されているようです。最近目にする機会が増えてきているので、気になって調べてみることにしました。
事業内容
恐らく皆さんご存じとは思いますが製薬には大きく分けて新薬(先発薬)とジェネリック医薬品(後発薬)があります。BMYはこのうちの新薬開発に特化した会社です。他の企業は医薬品以外の事情を多角的に展開しているものもありますが、BMY はこの新薬開発と販売に特化しています。心血管疾患治療薬やがん免疫治療薬など様々な治療領域での創薬、開発、販売を手掛けており、特にがん免疫治療薬分野で業界をリードしているといわれています。日本でもニュースでたびたび取り上げられたオブジーボが有名です。(日本での販売は小野薬品ですが)。2019年にセルジーンを買収し、ポートフォリオやパイプラインの拡充に成功しましたが、一方で買収に要した多額の費用とその統合効果の見極めが定かでないことから割安に放置されているとみられているようです。
業績
では次に売上と営業利益の推移です。

2020年からセルジーン買収の影響で売り上げが大きく伸びています。次に各製品の売上の表を用意しました。上段がもともとBMY に存在したポートフォリオ、下段がセルジーン買収により拡充されたポートフォリオです(others は除きます)。
単位:百万ドル | |||||||
決算期 | Eliquis | Opdivo | Orencia | Sprycel | Yervoy | Baraclude | Empliciti |
2016年12月期 | 3,343 | 3,774 | 2,265 | 1,824 | 1,053 | 1192 | 150 |
2017年12月期 | 4,872 | 4,948 | 2,479 | 2,005 | 1,244 | 1052 | 231 |
2018年12月期 | 6,438 | 6,735 | 2,710 | 2,000 | 1,330 | 744 | 247 |
2019年12月期 | 7,929 | 7,204 | 2,977 | 2,110 | 1,489 | 555 | 357 |
決算期 | Revlimid | Pomalyst /Imnovid | Abraxane | Vidaza | Inrebic | Others | |
2016年12月期 | - | - | - | - | - | 2,143 | |
2017年12月期 | - | - | - | - | - | 2,112 | |
2018年12月期 | - | - | - | - | - | 1,630 | |
2019年12月期 | 1299 | 322 | 166 | 58 | 5 | 1,674 |
セルジーン買収によって新たに大きな売上のある 5 ブランドが追加された形となっています。冒頭にご紹介した Motley Fool の記事ではウォール街のアナリストは今後5年について年平均21%を超えるペースでの増益を予想しているとのことで、これが実現されるなら、確かに今の株価は割安に見えます。
株主還元
次に EPS、配当、配当性向の推移です。

EPS は凸凹が多くてわかりづらいですが、一応調べた範囲では増配を継続しています。ただこれだけ EPS が振れていると今後の配当の安定性に不安があります。ただ non GAAP ベースの EPS でみると少し景色が変わります。(non GAAP ベースとは特別損益を除いて算出した EPS です。会計上生じる過去の買収の減損などは、その一年しか業績に影響しない特殊要因なのでそういった要因を排除した EPS です)一緒に一株あたりのフリーキャッシュフローの数字も入れておきます。

2014年から順調にnon GAAP ベースのEPS は伸び、配当性向も低下しています。また一株当たりのフリーキャッシュフローもここ数年は配当を超えており、配当に関してもしばらくは安定してもらえそうです。
投資指標
過去2年の実績ベースでの PER、PBR、配当利回りです。
実績PER (倍) | 実績PBR (倍) | 配当利回り (%) | |
最大値 | 94.80 | 8.10 | 3.70 |
平均値 | 31.40 | 4.40 | 3.10 |
最小値 | 11.70 | 2.40 | 2.60 |
EPS の振れが大きいため PER では判断しづらいです。PBR もセルジーン買収の影響か大きく振れています。配当利回りが一番わかりやすいかもしれません。ただこの銘柄の場合は今後の成長性を期待して non-GAAP ベースのEPS に注目した方がよいように思っています。なおアメリカの現地時間 2/4 に2020年12月期の本決算がありますので、そこでまた何か動きがあるのかもしれません。
それでは、また。
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