ゴールド (金) の理論価格は?

投資の考え方

 昨年好調だった金の価格がここ最近は低調で、1オンス 1700ドル台となってきました。コロナショック前の20年2月の平均取引価格が 1600 ドル付近でしたのでまだその水準には届きませんが、20年の8月には2000ドルでしたからピークからは 15% 程度下落してきている計算となります。下落してきているため金への投資がチャンスかもしれないと思いましたが、いまいちどの水準になれば割安なのかがわかりません。そのため、金の理論価格がわからないかと思い調べてみました。

 金の価格に影響を与えている要因の一つに実質金利があります。実質金利とは「米10年国債利回り-ブレークイーブン・インフレ率10年」で算出できます。

 20年6月までの金価格と米国の実質金利の相関ですが以下のようになっています。

 

ソニーフィナンシャルHD ソーシャルレポート (20/8/4) より

 実質金利が低下すると通貨価値が減少してくることとなります。金のように希少価値があり、またその存在量が限られているような資産はインフレが進むと価格は上がることとなり、価格が上昇していくと考えられます。また実質金利だけでなく、マネタリーベースも金の価格に栄養しているといわれています。マネタリーベースとは通貨の供給量のことで、現在各国の中央銀行はコロナショックの対応としてこのマネタリーベースを拡大しています。そのため通貨の供給量が増え、通貨の価値としては低下することとなります。そのため金価格は相対的に上がっていくこととなります。

 さて、金価格と米国の実質金利の相関を調べたデータをもう少し紹介します。以下は金価格と実質金利の相関を散布図に示したものです (出典:https://www.sonyfh.co.jp/ja/market_report/pdf/sp_200804_01.pdf)

 相関係数は 0.9449 ですので、悪くない印象です。データが19年7月~20年6月ですので、少し古く間近のマネタリーベースの拡大をどの程度織り込めるかが不安なところです。ただ間近では米国の長期金利が上昇してきており、その影響が金の価格に現れていると考えられます。上記の式から導き出される金価格は以下の通りです。

米国実質金利 (%)金の理論価格
-11894
-0.81823
-0.61752
-0.41681
-0.21610

 ここにきて米国実質金利は -0.8% となってきています。今年に入ってからブレークイーブンインフレ率は2.2-2.5%の間を推移してきている一方、最近の金利上昇で米国実質金利は上昇傾向です。現在の金価格が1700 ドル台半ばですから、紹介した式からは割安に見えますが今後の米国国債10年の上昇に合わせて実質金利が上昇することを見越しての価格になっている可能性もあります。いずれにせよ金の価格については今後の米国長期金利次第ということになりそうです。

 それでは、また。

 I cross my fingers for you!

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