今日ご紹介する花王はおそらく知らない方はほとんどいないといっていい会社の一つだと思います。その知名度から紹介、という感じではないのですが、私の好きな会社の一つでもありますのでいろいろと調べてみました。皆様にとって何か有益な情報があればと思います。
事業内容
皆さんご存じの日本を代表する日用品メーカーです。セグメントは日用品を扱うコンシューマープロダクツと工業用製品を扱うケミカル製品に分かれています。ケミカル製品は油脂・界面活性剤、高機能ポリマー、香料などを取り扱っています。コンシューマープロダクツはさらにファブリック&ホームケア(衣料用洗剤、キッチン/バス/トイレケア製品など)、ヒューマンヘルスケア(サニタリー製品、入浴剤、オーラルケア製品、飲料など)、スキン&ヘアケア(シャンプー、コンディショナー、洗顔料)、化粧品に分かれています。衣料用洗剤「アタック」、飲料の「ヘルシア」、紙おむつの「メリーズ」、化粧品の「ソフィーナ」など有名なブランドを多数有しており、洗剤・トイレタリー製品は国内1位、化粧品は2位の位置にいます。
業績
それでは花王の売上、営業利益の推移です。2012年12月期は9カ月の変則決算ですので、その点ご注意ください。
売上が最近やや頭打ちになっている点が気がかりです。またコロナの影響で2020年12月期は減収減益の予想です。
次にセグメント別の売上、営業利益推移です。2015年～2017年はスキンケア・ヘアケアと化粧品はヒューマンヘルスケアという同じセグメントだったため、データがなかったようです。2018年、2019年からスキンケア・ヘアケアと化粧品のセグメントに関する情報があります。ですので、灰色の部分は参考、としてください。
近年の成長は旧ヒューマンヘルスケア部門が担っているようですね。またヒューマンヘルスケア部門の営業利益、営業利益率が悪くなってきているのが気がかりです。また過去4年と今期の第3Q までのの売上、営業利益を比較した結果は以下の通りです。まず売上です。
2020年はコロナの影響でファブリック&ホームケア部門は順調に推移しましたが、他は軒並み減少しています。特に化粧品部門の影響が大きいですね。外出する機会が減ったので、化粧する機会も減ったためですね。次に営業利益のセグメント別の第3Qまでの推移です。
化粧品部門は赤字ですね。ヒューマンヘルスケア部門も苦戦しています。特にこの化粧品部門が今期の業績低迷に響いているようです。化粧品部門は構造改革の途中ということで、今後どのような変化が見られるかを注目していきたいですね。
株主還元
EPS、配当、配当性向の推移です。
2010年代前半は配当性向がかなり高かったですが、その後 EPS の伸長もあり下がってきていました。ただこの2、3年はEPSの伸び悩みでまた配当性向が上がってきていますね。自己株式の取得も毎年にではないにせよ行っており、総還元性向はここ13年の平均は70%程です。総還元性向と配当性向の推移は下記のとおりです。
投資指標
ここ2年のPER、PBR、配当利回りの推移です。
比較的幅が狭いですね。最近はPBR、配当利回りが平均より高いにもかかわらず、株価はあまり上昇していません。EPS の伸び悩みの懸念の方が大きい、ということでしょうか。ただ生活必需品セクターということで安定感はあります。
それでは、また。
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