日本でもなじみのある外国企業であるユニリーバは米国市場でその株式を売買できます。ですので割と簡単にユニリーバの株主となります。私の外国株ポートフォリオの中でも比較的に上位にある企業でして、その企業理念に共感して株式を購入しました。今回はそのユニリーバについてまとめてみたいと思います。
事業概要
ユニリーバは米国市場で株式を購入できますが、本社は欧州にあります。英国、オランダの企業が合併してできたため、英国、オランダにそれぞれ本社があります。英国は石鹸事業が、オランダはマーガリン事業が祖業となっており、その後各方面に事業を拡大。現在はセグメントをビューティー & パーソナルケア、フード & リフレッシュメント、ホームケアの 3 つに分けています。世界約190か国で毎日25億人以上の人がその製品が利用しているとされています。12のブランドが年間売上10億ユーロ以上（日本円で1200億円以上ですね）となっており、非常に規模の大きい会社です。ビューティー & パーソナルケアでしたら DOVE や LUX は有名ですね。あとリフレッシュメントには Lipiton が、フードではクノールがあります。
またユニリーバの戦略の中に、「環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスを成長させる」というものがあります。環境負荷を減らすために積極的に再生可能エネルギーを利用したり、ごみが出ないようにするなどに取り組んでいます。また新興国を中心に正しい衛生用品の使い方を伝えながら自社製品の拡販につなげているようです。そのため新興国の売上も大きいですね。また最近は戦略を実現するための一環として事業ポートフォリオの見直しを行っており、間近ではマーガリン事業の売却が話題となりました。今後は戦略に沿い、かつ成長が期待できる健康食品やスキンケア事業により注力するためのようです。
研究開発拠点も世界90拠点以上で、約6000人が研究開発に携わっています。外部の研究機関との連携も積極的で、オープンイノベーションを活用してパイプラインの充実に貢献させています。
これまで述べてきたユニリーバの戦略やこれまでの実績に対して非常に共感したため、投資を始めることとしました。私にとって最初の外国株、ということでもあります。今のトレンドである ESG に沿った企業ということで、その将来にも期待しています。
業績
次にユニリーバの売上、営業利益の推移です。
緩やかながら右肩上がりとなっています。各事業ごとの売上、当期利益です。
事業別の売上比率はあまり変わらないようですね。生活必需品セクターらしく売上が非常に安定しています。
またユニリーバの特徴は何といっても新興国に強いことだと思います。その売上比率は2019年は約60%となっています。これまでの地道な努力の結果と思いますし、今後経済発展が進むであろうこれらの国で地盤を築いているのは心強いですね。
株主還元
次にユニリーバのEPS、配当、配当性向です。
ユーロ建ての数字を示していますのと、EPS は一過性の損益などを除いた数字を使用しています。ユーロ建ての場合は順調に増配していますね。また配当性向はおおむね60～70%台で推移しています。例年2月に増配が発表されるのですが、今年はそれがなかったですね。もしかしたら今年は増配しないかもしれません。
なお、米国株の場合は配当金に対して外国源泉徴収税が 10% かかるのですが、ユニリーバのような英国株は外国源泉徴収税0%となるため税負担が軽くなります。日本企業と同じ税負担となりますね。ユニリーバは英国株(ティッカー： UL) とオランダ株(ティッカー：UN) の二種類があり、UNの方は外国源泉徴収税が15%となってしまうので、UL で所有した方がお得です。
投資指標
過去2年の予想PER、実績PBR、配当利回りが以下です。（マネックス銘柄スカウターより）
株価の変動は生活費需品セクターのため、緩やかな方です。2020年12月11日現在で、過去1年の最高値が63.89 (20/10/14)、最低値は 44.06 (20/3/23) でした。コロナショック前は50ドル半ばでの値動きが多かったように思いますので、コロナショック時の底値の硬さが印象的です。事業の性質上、売り上げがある程度安定しておりますので、配当利回りに着目されて取引されているのかもしれません。
それでは、また。
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